おねしょ(夜尿症)が治らない、子どもの精巣が降りていない、といわれたなどお子様の泌尿器疾患の診療を行っております。お子様の健康を守るためには、親御さんのご協力が不可欠です。診察前に、最近の体調や気になる症状などを整理しておいていただけると、スムーズな診察が可能です。また、診察後に気になることがあれば、いつでもご連絡ください。お子様と保護者の方がリラックスして診察を受けられるように、温かくサポートしていきます。

子どもの泌尿器のお悩み
子どもの泌尿器のお悩み
おねしょ(夜尿症)が治らない、子どもの精巣が降りていない、といわれたなどお子様の泌尿器疾患の診療を行っております。お子様の健康を守るためには、親御さんのご協力が不可欠です。診察前に、最近の体調や気になる症状などを整理しておいていただけると、スムーズな診察が可能です。また、診察後に気になることがあれば、いつでもご連絡ください。お子様と保護者の方がリラックスして診察を受けられるように、温かくサポートしていきます。
睡眠中に無意識に排尿してしまう症状で、日本では5歳を過ぎて1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続く場合を夜尿症と定義しています。海外では5歳以上で週2回以上の夜尿が3ヶ月以上続くもので、当院ではこちらを採用します。治療としてはまず生活指導と行動療法が行われます。それらの治療を1〜2ヶ月行っても効果が薄い場合は内服治療やアラーム療法(自費診療)が考慮されます。内服治療としては、抗利尿ホルモン薬、抗コリン薬、三環系抗うつ薬などが処方されることがありますが、当院では抗利尿ホルモン薬のみで十分な効果を得ています。
日常生活では、利尿作用のあるカフェインを含んだ飲み物(コーヒー、お茶など)を避けたり、昼間は規則正しくトイレに行ったり、就寝までの2〜3時間は水分摂取を控えるようにします。就寝前にトイレに行く習慣をつけることも予防につながります。早期の治療介入がお子様の自己肯定感の低下を防ぐとされてますので、お早めにご相談ください。
夜尿症の原因は親の育て方や子どもの性格の問題ではなく、遺伝的要素が示唆されています。また、小児は排尿をコントローする筋肉や神経が未発達ですので、注意したり叱ったりしても治りません。トレーニングではなく成長に伴ってなくなっていく症状です。原因としては睡眠中に膀胱がいっぱいになっても、尿意で目を覚ますことができないという覚醒障害(かくせいしょうがい)が基礎にあることもあります。この覚醒障害に加えて、膀胱の就寝中の働きや大きさが未熟なこと、尿産生が多すぎる(夜間多尿)といった要因が重なることで発生します。
夜尿症はこのように機能的な問題であることが多く、ほとんどは病的なものではありません。ただし、今までおねしょがなかったお子様が急にするようになった場合には、精神的ストレスや環境の急激な変化などが影響していることもあります。
通常、体の成長に伴って膀胱も大きくなりますが、発達が遅れると就寝中に作られる尿を溜めておくことができません。
就寝中は抗利尿ホルモンが作られ、尿の量を調整しています。しかしこのホルモンの分泌が少ないと、溜められる許容範囲を超えて尿が産生されてしまいます。
通常、尿が膀胱に溜まると浅い睡眠に移行して目が覚めますが、小さなお子様は眠りが深く目を覚ますことができない場合があります。これを覚醒障害といいます。
小学校入学などの新しい環境で、精神的なストレスが溜まって生じていることがあります。
お子様は体調を崩しやすく、疲れも溜まりやすいので、睡眠時間を十分確保して規則正しい生活を意識しましょう。
膀胱炎や扁桃肥大が原因になっていることがあります。まれですが、1型糖尿病、脳腫瘍、甲状腺疾患なども原因として挙げられます。
包茎とは陰茎先端の亀頭部が包皮で被われている状態をいいます。生まれたばかりの男の子は全くむけない状態が正常で、むける時期は子どもによって様々です。4~5歳になると亀頭が見えるまでむけることもありますが、ほとんどの男性では、陰茎が成人の大きさに成長した段階で包皮をむいて亀頭を露出できるようになります。むきむき体操等は科学的根拠が乏しく、また海外のガイドラインでは大人が無理に子どもの包皮をむくと、症状が悪化する可能性があるのでやらないでくださいと明記されています。
成人後の真性包茎は、手術が行われることがあります。包茎手術は、環状切除といって余っている包皮をリング状に切除して残った皮膚を縫い合わせる方法が一般的です。当院ではご両親への小児の包茎に関する指導から大人の包茎手術まで対応しております。
精巣は胎生期に腹腔内で発生して、その後、陰嚢内に下降してきます。下降の過程で正常な位置に到達せず停留してしまう状態が停留精巣です。精巣が正常に機能するためには比較的温度が低い陰嚢内にある必要があります。腹腔内は陰嚢内に比べ、2、3度高い温度環境といわれており、そこに精巣が停留してしまうと精子をつくる細胞が徐々に機能を失い数も減少していきます。不妊や精巣捻転、精巣腫瘍のリスクが上昇する可能性があるため、治療を要します。
精巣が回転して、精巣につながる血管が捻れてしまい、精巣への血流が止まってしまう泌尿器科の救急疾患です。時間が立つと、精巣が壊死してしまい、精巣摘出が必要になるケースもあります。精巣捻転は思春期に多く、ついで乳幼児期に多い疾患です。思春期は第二次性徴に伴う精巣重量の増加、乳幼児期は不十分な精巣固定が原因と考えられています。精巣捻転を6〜8時間以上放置してしまうと精巣が壊死してしまうと言われています。このため、精巣の痛みや陰嚢が赤黒くなるなど、精巣捻転が疑われる際は早急に病院を受診し、医師の診察を受けてください。
鼠径ヘルニア(脱腸)は小児の1~5%に発生するといわれており、子どもの外科手術の中で最も頻度の高い疾患です。そけい部(股の付け根の少し上)から外陰部(男児は陰嚢、女児は大陰唇)までが膨れたり引っ込んだりする病気です。腫れた部分のヘルニア嚢(袋)の中には小腸、大腸、大網という膜や女児であれば卵巣、卵管などが入り込んでいます。1歳未満の鼠径ヘルニアは自然に治ることもあるといわれていますが、以降は自然治癒が難しくなります。腸が袋の中に入り込んできても、お腹の中に容易に戻る状態であれば緊急性はありません。
しかし、脱出した腸が戻らなくなることがあり、この状態を放置すると臓器がむくみ、硬くなります(嵌頓)。嵌頓状態では子どもは痛みで機嫌が悪くなります。ふくらんだ部分は固く、触ると非常に痛がります。次第にお腹が張ってきて嘔吐を起こすこともあります。このようなときは速やかにかかりつけ医に連絡されるか、小児診察が可能な救急病院を受診してください。
陰嚢の中に水がたまった袋があり、陰嚢が大きく膨れる状態になる病気です。基本的に痛みを伴いません。乳児期に多くみられますが1歳ごろまでに自然に治癒することが多いとされ、1歳を過ぎると自然治癒がしにくくなるといわれています。ときに鼠径(そけい)ヘルニアと陰嚢水腫の判断は難しいこともありますので、気になることがあれば受診をお勧めします。
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